人材育成

世の中に必要とされるモノを生み出す編集者を、つくり続けます

 モノづくりにおいて、一番必要なことは、「誰が作るか」だと考えます。どんな技術で、どれほどの経験があり、どれだけの想いがあって、どのくらい勢力をかけた作品なのか。
そういうと、芸術家や作家、建築家、料理家など、有名な方々を想像されるかもしれません。しかし、まだ埋もれている、もしくはこれからもずっと名前が出ることはない作り手がいます。名が売れることを目指す作り手、作品が生き続けることを願う作り手、「作品」と呼ばれるにはほど遠く多くの人の役に立つモノをせっせと作り続けている作り手。作り手によっては目指すところが違えども、芸術、工業、電気、クルマ、食品、料理、農作物、建築、家具、ファッション、広告、雑誌や本など、誰かが作っているわけです。
 雑誌を作る編集者は、いわゆる“マスコミ業界の人”として一見華やかに思われがちです。TVドラマや小説でもしばしば描かれ、それっぽいファッションで業界人っぽい会話をし、仕事もプライベートはアクティブで楽しそう。だからなのか憧れてしまう視聴者や読者もいるでしょう。
 しかし現実は、忙しすぎて遊ぶ時間もなかったり、仕事上仕入れたネタはほとんど守秘義務で語れず…。仕事が一人前にできるまでは恥のかき通しでしょうし、できない自分と向き合う時間が苦しすぎて何度も逃げ出したくなることでしょう。そして、ほとんどの人が1年も持たずにドロップアウトしてしまいます。
 私たちは、編集者は「モノづくりの職人」だと思っています。世の中で、「継承者がいない」と嘆く製造業さながら、一見華やかに見えるこの業界もしかりです。ただ違うのは、求人を出すとすぐに応募が殺到すること。しかし、これが私たちにとっては致命傷。大体の若者がなんとなくの憧れや、忙しく働く姿が「素敵」と思って詰め寄せ、審査にも時間や労力をかけ、勢力をかけて全員参加で育成しますが、ドロップアウトされと先輩たちは打ちひしがれ、士気も高まりません。現実は、「何となく」で勤まるものでも、「素敵」でもないわけです。じゃあ、雇う時にしっかり見極めればということですが、職人気質はいつ何で開花し発揮されるのかなかなか分からないのも現実。
 そんな現実を日々受け入れながら、私たちはあくなき人材育成に精力的に取り組んでいます。今日の素人をいつの日か「プロ」にするために。「プロ」とは、その人の代わりのいない人だと思います。その人に作ってもらいたいと思える編集者を育成することも私たちの使命です。
 私たちバースは、モノづくりを諦めない人をつくることを諦めません。世の中に必要とされるモノを生み出す。そんなプロの編集者を永久につくり続けます。

【これからクライアントになられる企業様へ】“共育”をお願いします

 クライアント様には、日頃からご協力いただき大変感謝しております。デスクは違えども一緒にチームとなってくださり、互いを尊重し想いやり、時に激励していただけることで、当社の編集者一人ひとりにとってのモチベーションややりがいに繋がっています。また、互いに立てたスケジュールにご協力いただけるからこそ、納期を外さずにここまで来ることができました。ありがとうございます。
 そこで、これからお付き合いくださる企業様にもおねがいがあります。ぜひともバースの社員を、共に「社会の子」として、育ててくださるとありがたいです。きっと、御社のためになる子です。御社の「会社の子」じゃありませんが、私たちの「社会の子」として、一緒に育ててやってはもらえないでしょうか。大きな意味で人生の「先輩」として、「仲間」として、そして「人間」として遠慮なく言ってほしいと思います。万が一、よいものを作らなかったら叱ってやってください。万が一、時間を守らなかったら正してやってください。そして、互いに結んだ約束やスケジュールは、互いに守ってやってください。バースでは必死に納期を厳守しますが、それにはどうしてもクライアント様のご協力が不可欠です。
 「育ててやってほしい」というは、甘ったれているのかもしれません。しかし、いいものを作り上げるチームになるために互いに遠慮していてはいけないと思っています。互いに想いを共有し、切磋琢磨し合えるチームになれれば、とてもいいものを作ることができます。編集者としての教育はバースがしっかり行いますので、どうか共に働く一員として叱咤激励してやってください。そうやって皆さまのおかげで、また一人、いい職人をこの世に誕生させることができれば、社会の財産となるに違いありません。

【これから編集者になろうとされている皆さんへ】石の上にも3年。初心忘るべからず

 面接で、「なぜ編集者になりたいんですか?」「どの雑誌が好きですか?」「何の雑誌を読んでますか?」とよく聞きます。しかし、はっきりした答えがない人が実に多い。どれほどその雑誌が好きで、それはなぜなのかの理由が語れ、自分だったらどう作りたいかという意見や思いを持って、実際に作ったモノ(実験的にでも、手書きでも何でもいいです)を持参する。そういう人でなければ、当社で編集者になることは無理です。学校やリクルート系の会社で指導された通りに手当たり次第受けるような業界ではありません。
 夢や憧れは大事ですが、想像以上の忙しさや大変さを乗り越えられるほどの憧れでしょうか。ですから、必ず、この職業に就きたい理由をとことん考え抜き、「なぜ、自分は編集者になりたいのか」を常に忘れず、自分と約束してください、3年は諦めないと。3年間は何があろうとも初心に立ち返り、自分との約束を守ってください。私たちと約束するのではありません。自分との約束です。自分が自分にウソをつかないでください。それが、自分を大事にするということです。自分を大事にするとは、甘やかすことではありません。自分との約束に忠実で、そのために乗り越えなければならないことがたくさんあっても自分は乗り越えられると信じ、努力し、突破することです。自分が自分を信じずに、誰が信じてくれるのでしょう。
 想像してみてください。突破した自分を。少し自信がついてきたかもしれません。自分で自分を褒めてあげたくなるかもしれません。仕事が面白くなっていたり、やりがいを感じてたり、もしかしたら読者が「感動しました」と言ってくれるかもしれません。そうやって自分に大事にされた自分は、気がつくときっと、誰かに大事にされる存在になっているはずです。

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